2022-06-30
不動産を売却するために調べているなかで、「心理的瑕疵」という言葉を見たり聞いたりすることもあるかと思います。
しかし、「心理的瑕疵がどういうものなのか良く分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事では、心理的瑕疵とは何か、心理的瑕疵が不動産の売却に与える影響、心理的瑕疵の告知義務についてご紹介します。
東京23区や周辺エリアで不動産の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
\お気軽にご相談ください!/
心理的瑕疵とは、事故や事件などが起きたことが理由で、買主の心理に良くない印象をあたえてしまう瑕疵のことを言います。
水漏れやシロアリ被害による腐食といった物理的瑕疵はないため、利用するには問題ないものの、「自殺や殺人事件が起きた物件には住みたくない」と思う方は珍しくありません。
このように、心理的抵抗を与えてしまう要因がある状態を心理的瑕疵と呼ぶのです。
心理的瑕疵について、国土交通省は2021年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました。
心理的瑕疵は不動産の取引に大きな影響を及ぼすため、買主に対して該当する事実を事前に告知しなければいけません。
しかし、これまでの間、心理的瑕疵の調査や告知に関する明確な基準がなく、告知するかどうかは不動産会社の判断に委ねられていました。
そこで、安心できる不動産の取引を実現するために、約1年間の検討会を経てガイドラインが取りまとめられたのです。
心理的瑕疵に該当するケースには、以下のものがあります。
売却する物件で自殺や他殺事件、事故死が発生した
売却する物件で自殺や他殺、火災による事故死が発生すれば、心理的瑕疵に該当します。
その一方で、老衰や持病による自然死や日常生活のなかでの不慮の死亡(階段からの転落や食事中の誤嚥が原因となる死亡事故)については、心理的瑕疵に該当しません。
ただし、自然死や不慮の死亡が発生した物件において特殊清掃(孤独死などが発生した住居において、原状回復のためにおこなう清掃)や大規模リフォームを実施した場合は、心理的瑕疵に該当する可能性があります。
周辺で事故や事件が発生した
ガイドラインでは、売却する物件の隣接住戸や日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した事故や事件については、心理的瑕疵には該当しないとされています。
ただし、上記のような場合でも、事件性や周知性、社会に与えた影響がとくに高い事案は心理的瑕疵に該当し、買主に対して告知しなければいけません。
たとえば、発生した事件が残忍な場合や、誰もが知っている事件である場合は、心理的瑕疵として判断されるでしょう。
周辺に嫌悪施設がある場合
物件の周辺に暴力団事務所や墓地、工場などの嫌悪施設がある場合は、心理的瑕疵と判断されることがあります。
この記事も読まれています|不動産売却における契約不適合責任について知ろう!売主の注意点は?
\お気軽にご相談ください!/
国土交通省によりガイドラインが策定され、心理的瑕疵に関する基準が明確化されました。
2021年に策定されたため、社会情勢の変化などにより内容の見直しがおこなわれるかもしれませんが、今後の不動産の売却に少なからず影響を与えるでしょう。
こちらでは、心理的瑕疵が不動産の売却にどのような影響があるのかについてご紹介します。
心理的瑕疵のある物件を積極的に買いたいと思う方は、ほとんどいません。
検討する方が限られてしまうため、売却価格は相場よりも下がってしまうでしょう。
一般的に、自殺が発生した物件では2割から3割程度、他殺の場合では5割程度、売却価格が下落してしまうと言われています。
ただし、立地が良かったり、不動産の希少性が高かったりする場合は、価格の下落を最小限に抑えられることも考えられます。
「いくらで売れるか知りたい」という方は、不動産会社に価格査定を依頼し正確な売却価格を把握するようにしましょう。
フリースタイルでは、売却価格のお見積もりをおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
心理的瑕疵のある物件には買い手が付きづらい傾向がありますので、売却期間が長引いてしまう可能性があるでしょう。
不動産の売却にかかる期間は、一般的に3か月から半年程度だと言われていますが、心理的瑕疵に該当してしまうと1年以上売れないことも考えられます。
多くの場合、心理的瑕疵は不動産の売却価格や期間に影響を与えてしまいます。
しかし、心理的瑕疵の影響を受けずに売却が可能という場合も考えられるでしょう。
たとえば、物件の近くに工場があったとしても、その工場が騒音やにおいをほとんど発しないのであれば、あまり気にしないという方もいらっしゃるかもしれません。
心理的瑕疵の影響は、買主の考え方によって大きく変わります。
「どれくらいの影響を与えるか分からない」とお困りであれば、不動産会社と相談しながら売却を進めていくと良いでしょう。
心理的瑕疵が売却価格や期間に影響を与える恐れがある場合は、不動産会社の買取を利用すると良いでしょう。
不動産会社に買取を依頼し、提示された買取価格に納得することができれば、3週間から1か月程度で売却を終わらせることが可能です。
速やかに売却したいとお考えの際には、非常に有効な売却方法ですので、ぜひご検討ください。
この記事も読まれています|不動産売却における契約不適合責任について知ろう!売主の注意点は?
\お気軽にご相談ください!/
心理的瑕疵のある不動産を売却する際、売主には事案の発生時期や場所、死因に関する告知義務が発生します。
また、自然死や不慮の死亡でも、特殊清掃がおこなわれた場合は買主に対して告知しなければいけません。
最後に、心理的瑕疵の告知義務についてご紹介します。
心理的瑕疵の告知義務が発生する期間は、賃貸物件の場合、「事案が発生してから3年間」とされています。
これは、心理的瑕疵は時間の経過とともに希釈されるという過去の判例から定められています。
その一方で、売買の場合は、「調査を通じて判明した点」についてはすべて告知をする必要があり、期間は設定されていません。
期間が設定されていないのは、売買は賃貸よりも支払う金額が大きくなり、トラブルが生じた際の損害も同様に大きくなるからです。
国土交通省のガイドラインが策定される前は「転売がおこなわれた場合には、告知義務が消滅する」という考え方もありましたが、ガイドラインにはこのような記載がありませんのでご注意ください。
心理的瑕疵がある事実を隠して告知義務を果たさなければ、「契約不適合責任」に問われる可能性があります。
契約不適合責任とは、売買契約において、目的物の種類や品質、数量が契約内容に適合しない場合、売主が買主に対して負う責任のことです。
契約内容と異なる事実が判明した場合、買主は売主に対して、追完請求や代金減額請求、契約解除請求、損害賠償請求を求めることができます。
心理的瑕疵がある事実を隠して不動産を売却しようとすると、大きなトラブルにつながるかもしれませんので、誠実な取引をおこなうようにしましょう。
この記事も読まれています|不動産売却における契約不適合責任について知ろう!売主の注意点は?
今回は、心理的瑕疵とは何か、不動産の売却に与える影響や告知義務についてご紹介しました。
心理的瑕疵が不動産の売却にどのくらい影響を与えるかは、心理的瑕疵の内容や買主の考え方によって異なります。
まったく影響がないという場合もありますので、心理的瑕疵のある不動産を売却する場合は、不動産会社と相談しながら売却を進めていきましょう。
「なるべく早く売却を終わらせたい」とお考えの方は、不動産の買取も視野に入れることをおすすめします。
フリースタイルでは、東京都江戸川区を中心に、東京23区や神奈川県横浜市、川崎市の不動産売却に関するご相談を承っております。
買取にも対応しておりますので、お悩みの際はお気軽にお問い合わせください。
不動産売却でもっとも注意したいことの一つと言えるのが、契約不適合責任です。 契約不適合責任とは、契約内容が一致していないと売主がなんらかの形で責任を問われることです。 この記事では、不動...
2022-06-02
不動産の売却は人生のなかでも数少ない経験になる方が多いでしょう。 初めての不動産売却だと、売却までの流れの全体像が気になりますよね。 この記事では、江戸川区を中心に東京23区での不動産売...
2022-05-19
できれば高く売れるタイミングで不動産を売却したいですよね。 この記事では、江戸川区にある不動産を高く売却できる良いタイミングについて、地価動向と人口動態の視点からご説明します。 \お気軽...
2022-05-21
離婚やローン返済など何らかの理由で、近隣住民に気付かれずに不動産を売却したいとお考えの方もいらっしゃると思います。 媒介契約や売却活動を見直すことで、気付かれずに売却することが可能です。...
2022-05-23